ワインを選ぶ時に参考にする「◯◯ワインコンクールで受賞」や「パーカーポイントで◯点」など、ワインのコメントや宣伝文句がありますよね。見たことある人も多いのではないでしょうか。では、「パーカーポイントって何?」って聞かれたら、なんと答えますか?
ワイン評論家ロバート・パーカー氏がワインにつけたポイントがパーカーポイント
1970年代当時のワイン評論がワイナリーや販売店の影響を受けていると考えました。広告収入に頼らない、ワインについて公平な意見を述べることができる評価誌が消費者の利益になると、「ザ・ボルチモアーワシントン ワイン・アドヴォケイト誌」を創刊。その後、「ワイン・アドヴォケイト」と名前を変更。その中で、自分が試飲したワインに得点をつけて評価して雑誌に載せたのです。それがパーカーポイントです。
ロバート・パーカー氏とはどんな人物?
ロバート・M・パーカーJr.氏は1947年、アメリカ合衆国メリーランド州ボルチモアに生まれました。メリーランド大学で歴史と美術史を学んだあと、メリーランド法科大学院に進み、弁護士になりました。卒業後、ボルチモアの農業信用金庫で弁護士として11年間働きました。
1967年に妻とフランス旅行に行ったことからワインに興味を持ち始め、弁護士として働く傍ら、ワインに関する記事を書き始め、1978年とうとうワイン評価誌を出版します。それが、「ザ・ボルチモアーワシントン ワイン・アドボケイト」です。
パーカーポイントがもてはやされる理由は、彼のテイスティング能力の高さにあると言えます。ブルゴーニュの神様と言われるアンリ・ジャイエ氏を早くから評価していたり、まだ熟成中のワインをテイスティングして、熟成後のワインの出来をも想像して高く評価したり、たとえ無名であっても飲んでみていいと思ったものは、高く評価するなど、パーカー氏の姿勢と能力が認められるようになり、「神の舌を持つ男」と呼ばれるようになりました。
ワインに点数制を導入して、誰にでも明確にわかるようにするなんて、パーカー氏は頭のいい人だなと感じました。ワインは種類も多いし、初心者には難しく感じますよね。でも、点数なら比較も簡単。赤ワインか白ワインかと点数と値段を考えながら、選べばいいのですから、わかりやすいですよね。
パーカー・ポイントの仕組み

右側がパーカーポイント
ワインの色と外観 5点
アロマとブーケ 15点
風味と後味 20点
総合評価と熟成ポテンシャル 10点
パーカーポイントは100点満点で、評価に値するワインであれば、基本点の50点がもらえます。その上で、ワインの色と外観、アロマとブーケなどの項目ごとに点数が加算され、トータルポイントで評価されます。
90〜95点・・・・Outstanding(傑出)
80〜89点・・・・Quite good(優良)
70〜79点・・・・Above average(平均以上)
60〜69点・・・・Average(平均的)
85点以上のワインとなると世間的には評価が高く、その数は全体の1%に満たないと言われています。
ちなみに、日本産のワインで初めてパーカーポイントを得たのは、アーネスト・シンガーの甲州ワインプロジェクトが造った「甲州キュヴェ・ドゥニ・ドュブルデュー2004年」で、87−88点でした。
パーカーポイントで高評価、安くて旨いワイン
パーカーポイントが高いワインは、値段も高いのでしょうか?
もちろん、値段が高いワインも多いですが、手頃な値段のワインももちろんあります。
ここでは、パーカーポイントで高く評価されているけれど、値段は安いワインを紹介します。
「ボデガス・カスターニョ ソラネラ」
「ボデガス・カスターニョ ヘクラ」
「ラ・パッション・グルナッシュ」
「ミルカンボス・ビーニャス・ピエハス 2016」
パーカー氏がベタ褒めのスペイン産のテンプラニーリョ100%で造られた赤ワイン
「ミルトンパーク シラーズ」
オーストラリア産シラーズ100%で造られた赤ワイン。カルディで販売されているようですが、すぐ売り切れてしまうようです。
ここに紹介したワインは、手頃な値段で買えるので、一度試してみてはいかがでしょう。