美の壺選ーFile461「日本ワイン」に注目!

2020年12月6日に放送された「美の壷」は、2018年12月7日に放送されたものが再放送になったようです。最初の放送を見逃していたので、見られて良かったです。今回の特集は国内で栽培されたぶどうだけを使って国内で醸造された「日本ワイン」について。最初に放送された2018年頃から「日本ワイン」が注目されていたことが分かりますね。では、放送内容を見ていきましょう。

日本のブドウの底力

最初に紹介されたのが、長野県東御市にあるヴィラデスト・ワイナリー。ここでは15年前からフランス・ボルドー原産のブドウ「メルロー」を栽培し、ワインを醸造しています。同じ「メルロー」のワインでも、日本のワインは海外のワインとは違う魅力があるというヴィラデスト・ワイナリーの小西超さん。日本ではヨーロッパよりも雨が多いせいか、凝縮感はないけれども、日本人に合った優しいワインになると言います。

また、ワインジャーナリストの香取みゆきさんは「日本ワインは多様性が魅力で、バリエーションが豊富。それは生産者の意識の現れ」と指摘します。

革新ーMGVsワイナリー

マスカット・ベリーAを使って新たなワイン造りに挑戦している人として紹介されたのが、MGVsワイナリー

マスカットベリーAで作られるワインは透き通ったきれいな赤色でキャンディの香りがする。山梨県勝沼が主な産地。MGVsワイナリーの松坂弘志さんは「日本のワインは海外からは味が薄いと言われている。できるだけ濃厚なワインを作りたい。」と、皮と身を一緒に発酵させてワインを造りました。それでも薄かったそう。そこで、ブドウを水分少なめで栽培し、味を凝縮させました。その結果、粒は小さいけれども味は濃くなりました。

元々この会社は半導体の部品を作っている会社です。それが、なぜワインを造るようになったのか。気になる方はこちらを読んでね。

世界を驚かせた日本ワイン

次に紹介されたのが、中央葡萄酒 三澤ワイナリー。標高800mの山梨県北杜市で三沢彩奈さんが作っている甲州ブドウ。

昔は甲州ブドウは食用として栽培されていました。明治時代からその甲州ブドウを使ったワインが作り始められました。しかし、甲州ブドウも水分が多く糖度が低いため、できたワインは水っぽく薄いと言われていました。そこで、三澤彩奈さんは棚栽培から垣根栽培に切り替えたのです。それは味を濃くしたい一心でした。これによりブドウの葉の光合成効率を上げて、糖度20度を超えるブドウができたのです。三澤彩奈さんは「ブドウへのたゆまぬ愛情が大切!」と言います。

三澤彩奈さんはフランスのボルドー大学でワイン造りを学んできた今注目の女性醸造家の1人です。詳しくはこちらも見てね。

日本の大地を味わう

生命力ー清澄白河フジマル醸造所

江東区にあるイタリアンレストラン「清澄白河フジマル醸造所」。3年前にオープンしたそうですが、いつも予約でいっぱいみたいです。ここで提供されるフレッシュなワインが人気の秘密。なんと、店の地下がワイナリーになっているのです。ここでは全国からブドウを購入して産地ごとにワインを醸造しています。清澄白河フジマル醸造所の藤丸智史さんは「その土地でその年にできたブドウの個性さえ出せればどんなワインでもいい。」と言います。

そんな姿勢に貫かれているワインのお店。雑誌にもよく紹介されていますね。一度行ってみたいと思っています。

北海道 10Rワイナリー

新しいワイナリーが次々と生まれ、日本有数のワインの産地となって注目されている北海道。その北海道のブドウが気に入って、岩見沢に移住してワインを造っているのがブルース・ガットラブさん。元々はアメリカでワインのコンサルタントとして働いていました。どうして今日本でワイン造りをしているのか。気になる人はこちらを読んでね。

ブルースさんは極力機械に頼らないワイン造りをしています。手作業で身を取るとブドウの粒がとてもきれい。酵母菌も入れず、もともと葡萄に付いていた酵母菌だけでワインを造っています。そうするとその畑のワインの味が強くなるそうです。

また、白ワインのタンクでブドウが発酵する音を毎日聞いているブルースさん。画面で見ても泡がぷつぷつ出ていて、発酵が活発に行われているのが見えましたね。とてもきれいなレモンがかった色をしていました。それを見ているだけでも美味しそう!って思ってしまいました。

日本ワインと料理とのペアリング

東京築地のレストラン「葡萄」日本ワインを200種類も取り揃えています。和食との組み合わせにも積極的です。「日本ワインの優しさに合わせるには日本料理」と岩川直巳料理長。

ソムリエの大越利弘さんも「世界的に料理がライトでフレッシュになって来ている。料理が優しくなって来ているので、日本ワインが合わせやすくなっている。」と言います。

ここでの日本ワインと料理のおすすめのペアリングとして、最初に紹介されたのは、甘い香りのするオレンジ色の巨峰のワインと八女茶を発酵させたペーストを使った色とりどりの野菜のサラダ。こちらは香りのハーモニーを楽しむ料理だそう。

次に紹介されたのは、ベトナムのハムを使った揚げ物料理とフィールドブレンドと呼ばれる白ワインのペアリング。白ワインのほろ苦さが効いています。

マスカットベリーAに合わせたのは、タレがかかった焼き鳥。意外な組み合わせですが、甘めのたれと高相性らしい。みたらし団子とも合うそうですよ。これにはびっくり!試してみるには勇気?!がいるかも。