中央葡萄酒の三澤彩奈さんが醸造を担当する山梨のグレイス・ワイナリーとミサワ・ワイナリー

今注目度No.1の女性醸造家 三澤彩奈さんが活躍する中央葡萄酒株式会社は、山梨県甲州市勝沼町にグレイスワイナリー を、山梨県北杜市明野町にミサワワイナリーを持っています。また、ミサワワイナリーには自社畑もあります。今話題のドラマ「グランメゾン東京」でも撮影に使われたようですね。そんな中央葡萄酒を紹介します。

家族でつないできたワイン造り

1923年に初代 三澤長太郎が勝沼町で創業し、「長太郎印葡萄酒」発売したところから中央葡萄酒は始まっています。

1953年に三代目 三澤一雄が中央葡萄酒株式会社を設立し、現在に続くワイナリーの土台を築きました。この年、ワインブランド「GRACE(グレイス)」も誕生しました。「グレイス」とは、「品格」という意味です。その意味の通り品格あるワインを造りたいと名付けたそうです。

ワインの香りや味わいはブドウが決定づけると確信し、創業以来ブドウ栽培に力を注いでいます。1990年以降には欧州系ブドウの垣根式栽培を手がけ、2002年に開園した三澤農場では、甲州種垣根式栽培も始めました。

中央葡萄酒では、出来るだけナチュラルなワイン造りを信条にしています。醗酵や貯酒の過程で自然のバランスをどうしたら余すところなく引き出せるのかに努めているそうです。醸造を担当する綾菜さんは「Small is Beautiful. 」をワインで表現したいと思って、小さいワイナリーだからできることがあるはずと努力を続けています。

常に世界を見据えてワイン造りをして来ただけあって、早くから甲州ワインの輸出にも取り組んでいます。世界に挑戦するために「KOJ(Koshu of Japan)」を他の山梨のワイナリー とともに立ち上げました。ロンドン市場への輸出は、彩菜さんの父である茂計さんの大学の先輩の麻井宇介さんが「ロンドン市場を目指さなければいけない」と言った言葉に押されてスタートしたそうです。

最初は家業を継ぐ気はなかった三澤彩奈さん

中央葡萄酒の4代目三澤茂計社長の長女として生まれた彩奈さんは、最初家業を継ぐ気はなかったと言います。ワイン造りの現場で、女性に会ったことがなかったので、そう思い込んでいたと。

それが、大学生の時に「グレイス甲州」P Rのために父と一緒にマレーシアへ行き、その時に「グレイス甲州」が気に入った外国のワイン愛好家から「日本を象徴するワイン」と言われて、甲州ワインの可能性を感じ、その瞬間に醸造家になろうと決めたそうです。決断早いですよね!でも、ずっとお父さんやお祖父さんのワイン造りを身近にみて来ていたから、心の何処かには「継ぐ」と言うことがあったのだと思います。

立教大学を卒業後、ボルドー大学に入学し醸造学を学びます。更に、ブルゴーニュや南アフリカでも修行を積み帰国し、中央葡萄酒に入社。2008年にグレイスワインの醸造責任者に就任します。その後も冬になると季節が反対の南半球の様々なワイナリーで修行すると言う生活を2013年まで続けました。すごい努力家ですよね。

その努力が身を結び2014年の世界的コンクール「デカンタ・ワールド・ワイン・アワード」で「キュヴェ三澤 明野 甲州2013」が日本ワイン初の金賞を受賞しました。その後も4年連続で「デカンタ・ワールド・ワイン・アワード」で金賞を受賞しました。なかなか出来ない素晴らしい快挙ですよね。

それも、ワインのためにチョコレートやコーヒーなどをはじめ、香辛料や合成添加物の入ったものは一切口にしないと言う生活を続けているそうです。また、ワイン造りには体力が必要と言うことで、マラソンもしているそうです。そんな彩奈さんの口癖は「負けちゃいけない!」「あきらめちゃいけない!」。まるで求道者のようですよね。そこまで賭けないと素晴らしいワインを生み出せないのかもしれません。

そんなことを知ると1杯のワインも大切に味わって飲もうと思いますよね。



TBSドラマ「グランメゾン★東京」の撮影が行われた!

「グランメゾン★東京」はTBS系で2019年10月20日から12月29日まで毎週日曜日21時から21時54分に放送されていたテレビドラマです。見た方も多かったのではないでしょうか。その第9話に出てきたワイナリーが「ミサワワイナリー」でした。

なぜ、撮影が行われたかというと、ドラマの脚本家の黒岩勉さんがグレイスワイン を飲んでいたり、彩奈さんと茂計さんの共著『日本のワインで奇跡を起こす』を読んでいたこともあって、参考に脚本が書かれたようです。また、醸造所の扉に「世界一のワインを造る」と書いた紙が貼られているのを監督さんが見て、気に入り、ドラマの一場面で使われたそうです。



グレイスワインのテイスティングセミナーや見学情報

グレイスワインでは2種類のワインセミナーを開催しています。

テイスティングセミナー

開催時間 10:30~11:30
所要時間 60分
定 員 10名(要予約)
参加費 3,000円(税込・1名様につき)
セミナー内容 甲州種を含む6種類のワインのテイスティングセミナー

厳選ワインテイスティングセミナー

開催時間 10:30~12:00 ※毎月1〜2日間のみ開催
所要時間 90分
定 員 10名(要予約)
参加費 5,000円(税込・1名様につき)
セミナー内容 自社栽培のブドウを使用した厳選ワインのワインテイスティングセミナー(90分)

予約申し込み先:WEB またはTEL: 0553−44−1230

厳選ワインセミナーは「キュヴェ三澤」のテイスティングもできるみたいですよ。行ってみたいですね。



中央葡萄種のワインリスト

・GRACE キュヴェ三澤 シリーズ (赤、白、明野甲州 他)
・GRACE 甲州 シリーズ (鳥居平畑、菱山畑、茅ヶ岳、グリド甲州など)
・GRACE ヴァラエタルシリーズ (メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、シャルドネ、ロゼ、他)
・GRACE スパークリング
・serenaシリーズ
・周五郎のヴァン



2019年に通信社ブルームバーグがトップ10ワインを選んだのですが、その中にシャトーラフィットロートシルトとともに「Grace Blanc de Blancs」選ばれたとのことです。彩奈さんによると遊び心で作り始めたワインとのことです。

グレイスワインはスッキリとした味わいの甲州ワインで私も好きですし、私の周りにもファンは多いと思います。甲州ブドウはグレープフルーツやゆずの香りがすると言われていますが、熟成するともう少し甘い白桃や洋梨の香りがするそうです。甲州ワインはそのスッキリした味わいのためにお寿司や天ぷら、オイスターや白身魚のカルパッチョとも合います。ぜひ、試してみてください。

私がいつも飲んでいるのは、グレイス甲州とかグリド甲州などのリーズナブルなワイン。色は澄んでいて淡いけれど、果実味はしっかりあり、甲州の渋みも感じられます。どんな料理とも合わせやすいですよ。



グレイスワイナリーへのアクセスマップ

〒409-1315 山梨県甲州市勝沼町等々力173 (グレイスワイナリー )
TEL: 0553−44−1230
FAX: 0553-44-0924
www.grace-wine.com