あさイチでも紹介された貴腐ワインとはどんなワイン?

2019年12月12日のあさイチで広島県三次市のワイナリーが紹介されて、そこで作られた貴腐ワインが取り上げられていましたね。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。聴き慣れない名前ですが、貴腐ワインとは一体どんなものなのか、ご紹介します。

貴腐ワインとはどんなもので、どのように造られているのか?

貴腐ワインとは、白ワイン用のブドウの果皮がボトリティス・シネレアという菌(貴腐菌)に感染する事で糖度が高くなったブドウを使用して造られた極甘口のワインのことです。

ボトリティス・シネレアという菌はどこにでもいて、果実、花卉、葉などに付いて腐敗させてしまう灰色カビ病の原因になります。しかし、特定の条件の下では、ブドウを貴腐化させるのです。

その条件とは、
・朝に霧が発生して菌の生育に都合の良い温度や湿度になっていること
・日中は晴天で乾燥していて、水分の蒸発が進むこと
・これらの条件が1ヶ月以上続くこと

貴腐菌が果皮のロウ質を壊して、果汁中の水分が蒸発し、糖度が濃縮されて干しぶどうのような状態になります。この貴腐ブドウを使って造ったのが、貴腐ワインです。収穫したブドウは干しブドウのような状態なので、得られる果汁はわずかです。また、その後の収穫・醸造にも気を使うので、手間がかかります。

そのために貴重なワインとなります。



世界三大貴腐ワインはハンガリーのトカイ、フランスのボルドー、ドイツのモーゼルで造られている

世界三大貴腐ワインは、フランスのボルドー地方で作られるソーテルヌ、ハンガリーのトカイ・アスー、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼと言われています。

ソーテルヌで特に有名なのが、「シャトー・ディケム」です。「神の雫」にも登場しましたね。ブドウの収穫からワインの醸造においても、人手と手間をかけて造られます。それでも、ディケムの名に相応しくないと判断されたものは厳しく切り捨てるそうです。それが、結果として世界中の人からの信頼を得ることになったのですね。

ハンガリーのトカイ・アスーの中で、最上格に位置するのは、貴腐ブドウ100%で作られている「ナトゥールエッセンシア」です。

ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼの中で特に有名なのが、「エゴン・ミュラー」です。ワイン造りにおいては、樹齢の長い古樹を大切にしています。そのために、化学肥料や除草剤を使わず有機栽培をしています。もちろん妥協を許さないワイン 造りにも定評があります。



日本でも作られている貴腐ワイン

日本で最初に貴腐ブドウが発見されたのは、1975年サントリー登美の丘でのことです。それ以来サントリー登美の丘ワイナリーでは貴腐ワインを作り続けています。それが「登美 ノーブルドール」(¥50,000)で、日本ワインコンクールだけでなく海外でも高評価を得ています。

NHKあさイチで紹介されていたのは、広島県の三好ワイナリー。そこで造られているのは「TOMOEセミヨン貴腐」と「TOMOE ピノ・ノワール貴腐」(¥25,000)でした。

他にも造っているところが、いくつかあります。飲み比べてみるのも面白いかもしれません。



貴腐ワインを楽しむには?

極甘口の貴腐ワインを楽しむには、塩気のあるブルーチーズを合わせるのが、オススメです。貴腐ワインにはハチミツの香りもあることから、ブルーチーズにハチミツをかけて、貴腐ワインと一緒に楽しんでみてください。

また、かき氷やアイスクリームにかけて食べるのも美味しいです。大人のデザートになります。

あさイチでは、ドライフルーツのサラミ風をオススメしていましたね。貴腐ワインに負けない甘い濃厚なドライフルーツとも好相性なのです。

ドライフルーツのサラミ風の作り方

材料

  • ドライイチジク・・・120グラム
  • レーズン・・・・・・100グラム
  • 干したクルミ・・・・・40グラム
  • ハチミツ・・・・・・・大さじ1杯
  • シナモンパウダー・・・・・適量

作り方

  1. ドライイチジクは2センチ角を目安に細かく切る
  2. ミキサーまたはフードプロセッサーに、クルミ以外の材料を入れる
  3. ミキサーのスイッチを入れて粘りがでるまで混ぜ合わせる
  4. 少しづつ混ぜ合わさり、丸くボールのようにまとまってきたらスイッチを切る
  5. (4)を取り出し、広げたラップの上で薄くのばす
  6. 伸ばした生地の中央に横一線にクルミをのせていき、クルミを芯にしてのり巻きのように丸めて形を整えていく
  7. 両端をねじってサラミのような形状に整えたら、冷凍庫で一晩冷やし固める
  8. 冷凍庫から取り出し、10分ほど置いたら、幅5ミリ程度に切り分けて、皿に盛りつけ出来上がり!
    (NHK あさイチ HPより)

貴腐ブドウ100%のワインは値段も高いのですが、貴腐ブドウを混合して作られたワインならお手頃だと思います。最初はそこから、始めてみましょうか。