ワインはブドウから作られることは知っていると思いますが、どうやって作られるのかというと、知らない人が多いのではないでしょうか。もちろん、知らなくてもワインを飲んで楽しむことはできますが、作り方を知ることでもっとワインを楽しむことができます。
白ワインはどうやって作られる?
まず、大まかな流れを見て見ましょう。
収穫・選果(収穫したぶどうの中から傷んだ実を取り除く)
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除梗・破砕(ブドウの実から茎を取り除き、果汁が流れ出るように果皮を少し破る程度につぶす)
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プレス(色を出さないように絞る)
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発酵(酵母を加えて発酵させる)
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熟成・澱引き(発酵が終わったワインをしばらくタンクや樽で落ち着かせ、上澄みを別のタンクに移し替えて底に残った澱を取り除く)
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清澄・濾過(タンクや樽の中にある固形物を取り除く)
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瓶詰め・熟成(ワインをびんに詰めて、さらに熟成させる)
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出荷
ワインはブドウのみが原料なので、ブドウの質がとても大事。美味しいワインを作るには、まずブドウからと言われる所以です。ワインを作るときは、どんなワインを作りたいかを考えてベストな状態でぶどうを収穫するそうです。ブドウの出来がワインに影響するということでヴィンテージと言われる収穫年がエチケットにも書かれています。
また、圧搾の前に低温で2〜24時間くらい果皮や種を果汁につけ込むスキン・コンタクトを行うこともあります。果皮などの風味を抽出することで風味豊かなワインになります。
白ワインを造るときは、ブドウ由来のフルーティさを失わないように、低温発酵させることもあります。その結果フレッシュでフルーティなワインになります。
また、ワインに含まれるリンゴ酸が乳酸に変化し、酸味がまろやかになるマロラクティック発酵をすることもあります。これによりリンゴ酸が減り乳酸菌が増えて、酸自体の量が減ることでワインがまろやかになり、白ワインにバターのような風味が加わります。
発酵後、シュール・リーといって澱引きをせずに長時間澱とともに熟成させる手法をとることもあります。うまみ成分や複雑味を抽出することでフレッシュで旨味のあるワインになります。また、パトナージュといって樽やタンクの中の澱を撹拌し澱由来の風味を抽出することもあります。こうすることで風味豊かな白ワインになります。
澱引き後複数品種をブレンドするアッサンブラージュを行うこともあります。その結果、調和のとれたワインになります。
造り手の考えや技術によって、ワインの味わいに違いが出るのです。だから同じ品種のブドウから造られたワインでも醸造によって様々な味わいのワインができるのです。それが面白いところでもあり、飲む楽しみにもなっています。だからこそあなたに合ったワインが必ず見つかるはずです。色々と試してみながら、好きなワインを見つけてみてくださいね。
[本日のワインとおつまみ]
[ワイン]シャトー・ル・ベダ 2017
[おつまみ]
・帆立とキウィフルーツのマリネ
・バーニャカウダ
・ナッツ、ピクルス
メルローを主体としてカベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしたワインで、果実みが豊かで程よいタンニンのミディアム・ボディ。メルローは飲みやすいので、つい選んでしまいます。バーニャカウダとも合いますね。もちろんナッツとはとても合います。帆立とキウィフルーツのマリネはオリーブオイルのおかげかそれほどワインに負けていませんでした。