ドン・ペリニヨン(通称ドン・ペリ)は誰もが知る超高級シャンパンです。その醸造責任者を長年務めてきたリシャール・ジェフロワ氏がシャンパン醸造の経験を活かして、立山で日本酒を造るということです。ドン・ペリとはどんなシャンパンか、元醸造責任者リシャール・ジェフロワ氏とはどんな人か、なぜ日本酒を造ろうとしているのかをご紹介します。
ドン・ペリニヨン(通称ドン・ペリ)とはどんなお酒?
ドン・ペリニヨンとはモエ・エ・シャンドンが造る特別なシャンパン
シャンパンとは、フランスのシャンパーニュ 地方で栽培されたブドウのみを使って造られ、瓶内二次発酵を行った上で15ヶ月以上の熟成を経たスパークリングワインのことです。使えるブドウ品種もピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネ、ピノ・グリ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン、アルバンヌの7品種のみと限られています。異なる品種、異なる畑、異なる収穫年のリザーブワインをブレンド(アッサンブラージュ)してシャンパンが造られます。詳しくはこちらをどうぞ。
ドン・ペリニヨン(Dom Perignon)はフランスのエペルネにあるモエ・エ・シャンドン社で作られています。ドン・ペリニヨンはブドウの出来の良い年にしか造られない特別なシャンパンです。シャンパンの中でも熟成年数の長いヴィンテージ・シャンパンに属し、最低でも8年程度の熟成を行います。
モエ・エ・シャンドン社は、入り口もお洒落で、歩く道の敷石も白く、中も広く大きく凄いな〜と思った覚えがあります。地下貯蔵庫(カーヴ)も見学したのですが、長く歩いた記憶があります。
ドン・ペリニヨン(ドン・ペリ)の種類は、、、
・ドン・ペリニヨン
一般的なシャンパンでラベルは白。価格は16,000円前後
・ドン・ペリニヨン ロゼ
ピノ・ノワールで造られたロゼワインベースのシャンパン。ラベルはピンクで「ドンペリピンク」「ピンドン」とも言われる。価格は通常のドン・ペリの2倍
・ドン・ペリ エノテーク
「エノテーク」という名前のセラーで15年前後熟成させたもの。現在は造られていません。ラベルの色は黒なので、「ドンペリ・ブラック」とも言われる。
・P2(プレニチュード2)
現在のエノテーク。熟成の第2ピークを迎えたドン・ペリ。熟成期間は15年前後。価格は通常の約3倍
・P3
熟成の第3ピークを迎えた希少品。熟成期間は20年前後。価格は通常の約20倍
・レゼルブ・ド・ラベイ
20年以上熟成させた特別バージョン。ラベルが金色なので「ドンペリ・ゴールド」と言われる。価格は通常の約5倍
・アーティスト・シリーズ
アンディ。ウォーホールやデビッド・リンチなど、現代美術の画家がラベルデザインを担当したもの。
たくさんの種類があるんですね。値段も凄いけど、熟成期間の長さやそれに耐えられる質を考えたら安いのかもしれません。でも、日本では、誰もが「ドン・ペリ」と大騒ぎしていたのを見てなんとなく遠ざけていましたが、醸造責任者が誇りを持って造ってきたものなのですから、素晴らしいものに違いありません。今まで飲んだことはないですが、一度は飲んでみたいです。
ドン・ペリニヨンの第5代醸造責任者リシャール・ジェフロワ氏が引退
リシャール・ジェフロワ氏とは、
1954年に、シャンパーニュ のワイン醸造を営む家系に生まれました。1982年に医学博士号を取得。その後、「葡萄が呼ぶ声」に導かれ、ルーツへの回帰を決め、ランスの国立醸造学校へ入学し、1984年に卒業しました。ドメーヌ・シャンドン(カリフォルニア)で働き始め、1990年にドン・ペリニヨンの醸造最高責任者(シェフ・ド・カーヴ)に就任。2018年12月で引退するまで28年間に渡り、ドン・ペリニヨンのワインクリエーターとして活躍してきました。
すごい経歴の方ですよね。医学博士を取得したのに、シャンパーニュ を造ろうと学び直したのですから。シャンパーニュ の生まれということで、身近にシャンパンがあったことが大事なのでしょうか。
リシャール・ジェフロワ氏がなぜ立山で日本酒を造るのか?
リシャール・ジェフロワ氏は2000年に京都の禅寺大徳寺を訪れて、伝統的な精進料理を食べたことが人生で一番素晴らしかったと言っています。
「ブドウはこのままここに置いておけばいつかは発行する。しかし、米はそのまま置いても自然に発行しない。それなのに日本人の祖先は米粒で日本酒を造る方法を発見した。なんて素晴らしいことだ。」
とも、言っているように、大の日本好き!日本の富山県にある桝田酒造の桝田隆一郎氏とも付き合いがあります。
また、フランス料理も健康ブームや日本料理の影響を受けて、ソースを使ったこってりとした味付けから、素材を活かした調理方法やシンプルな味付けに変わってきています。その料理に合う飲み物と言うと、ワインより日本酒になるのではないかと考えているようです。
そんなことから引退したら、日本酒を造るということになったのでしょうね。
リシャール・ジェフロワ氏が代表を務める酒造会社の名は「白岩酒造」
リシャール・ジェフロワ氏が造る酒造会社は「白岩酒造」、ブランド名は『IWA」。醸造所の設計を担当するのは、世界的に有名な建築家の隈研吾氏、ブランドイメージを担当するのは、オーストラリア出身のデザイナーで、アップルウォッチのデザインも手掛けたマーク・ニューソン氏。すごい豪華メンバーです。
リシャール・ジェフロワ氏はどんな日本酒を造るのか?
リシャール・ジェフロワ氏はドン・ペリの醸造責任者として、アッサンブラージュして造られるシャンパンの味や香りに責任を持っていました。その経験を活かしてラグジュアリー感のある日本酒を造ろうと考えているようです。
2019年11月14日放送のNHKクローズアップ現代プラスで紹介されていましたね。すでにジェフロワ氏は半年間試行錯誤を繰り返し15種類の日本酒をブレンドしたお酒を造っているそうです。
テロワールの考えに基づき、酒造りに必要な酒米は立山で作られたお米を使用し、立山の水を使用するとのこと。再来年の秋には最初のお酒が出荷されるそうですよ。
「立山が世界の中心になる!」とジェフロワ氏が確信を込めて言いました。
立山には美味しいお米とお水がありますからね。新しい日本酒の誕生が今から本当に楽しみです。