お酒は人間にとっては毒。お酒に含まれるアルコールは癌や肝臓の病気の原因だと言われています。そのうえお酒に適量はないとも。とにかく身体に悪いものなんだと。ワイン好きの私には耳の痛いこと、、、。そんな身体に悪いものをなぜ人間は摂取してきたのか?人間の進化の過程から探ってみるようです。どんな内容なのか見てみました。
2020/02/02 NHK食の起源は「お酒」がテーマ
人間は様々なものからお酒を造っています。例えば、りんご、カカオ、ぶどう、リュウゼツランなどからもお酒を作っていますね。なぜ、人類はこんなにお酒好きになったのでしょうか?
1.人類 最強の飲んべえに進化
アフリカのある部族は1日5リットルも「パルショータ」というアルコール飲料を飲んでいます。アルコール度数はビール程度。でも他に食事はしていません。食事替わりにパルショータを飲んでいるんです。この「パルショータ」には必須アミノ酸や必要な栄養素がたくさん含まれています。だから、子供たちにも薄めて飲ませています。
いつから「お酒」を飲むようになったのでしょうか?
1200万年前アフリカで気候変動で乾燥が進み、食糧不足の中、腐り始めて「お酒」になった果実を食べられるようになった祖先がいたんですね。そうして、アルコール分解遺伝子を持つようになったみたいです。
2.人類 宴会で脳を乗っ取られる
1万二千年前、トルコで「お酒」を造っていたようです。ギョベックリ・テペ遺跡にある大神殿の跡に「お酒」を造った石の瓶が見つかりました。この頃は小麦から「お酒」を造っていたようです。
その作り方は小麦をすりつぶしてお酒を作り、3ヶ月発酵させます。できた「お酒」はビールのような味だったそう。この「お酒」を大きな瓶で造って、みんなで一緒に飲んでいたと考えられます。この大きな瓶で友好を育んだのです。アルコール摂取で理性が弱まり、それが人と人をつないで社会ができてきたそうです。
五千年前のエジプトでは、ビールよりアルコール度数の高いワインが作られていました。「お酒」を飲むことによって、楽しい・幸せなどと感じられるようになっていったと考えられます。そして、ビールよりワイン。ワインより蒸留酒。と、よりアルコール度数の高いものを作るようになってきたんですね。
ワインの原料となるブドウは痩せた土地でも育つし、小麦より糖度が高いので、魅力的な飲み物だったと想像します。キリストの血とも言われ、キリスト教と結びついて世界中に広まったのでしょうね。そして、今私たちがいろんな種類のワインを楽しめているんですね。
3.日本人お酒に弱くなる
「お酒」に弱いか強いかは、アルコール分解酵素を持っているかどうかで決まります。アジア人はお酒に弱い⁇と言われています。ヨーロッパやアフリカの人たちは「お酒」に強い人だらけ。アルコールが分解されるとアセトアルデヒトになりますが、それが癌の原因になるそうです。
六千年以上前に稲作の広がりと同じでお酒に弱い人が増えてきたようです。なぜなんでしょうか?
昔は衛生状態が悪かったので、体に悪い微生物を殺すためにお米で造った「お酒」を飲んでいたようです。アルコール20gを超えるとリスクが増えるのですが、アセトアルデヒトが身体に悪い微生物をやっつけてくれたようです。結果として生き延びることができたので、アジア人はアルコールに弱い人が増えていったと考えられるそうです。
現在人類はノンアルコールを生み出している?!
そして現在では、人類はノンアルコールでも酔いを感じるようになったようです。アルコールがなくてもお酒を飲んだ時のようにリラックスすることが、ノンアルコールワインを飲んだ実験で科学的に証明されています。すごい不思議ですね。
命の危険に晒されるたびに人類は進化を遂げてきたんですが、現在は命の危険に晒されていないので、「お酒」を飲むことは身体にとってはリスクでしかなくなってきたのですね。でも社会的な面から見れば人と人を結びつけてきた「お酒」の効用を認めなくてはなりませんよね。ノンアルコールでも同じようにリラックスするならノンアルコールの方が身体に良いのでしょうが、ワインの美味しさにはかないません。ということで今日もワインで乾杯!