世界ふしぎ発見!世界複合遺産のピレネー山脈とボルドーワイン

2019年11月30日の「世界ふしぎ発見!」はフランスとスペインにまたがるピレネー山脈とそこから流れるガロンヌ川とその流域に広がるボルドー地区の特集です。

まずはプチ・トラン・アルトゥストゥルという名のトロッコ列車に乗ってピレネー山脈へ。

世界複合遺産のピレネー山脈のぺルデュ山

ピレネー山脈のペルデュ山は、豊かな自然と山の中腹で暮らす羊飼いの生活様式が今に至るまで続いている貴重な生活文化として自然遺産と文化遺産として1997年に世界複合遺産に登録されました。世界複合遺産は世界遺産が1121ある中でたった39しかありません。

ペルデュ山のフランス川の麓にあるガヴァルニー圏谷には、ヨーロッパ最大の滝グラン・カスケードがあり、その落差は422メートルで東京タワーより高いそうです。

ヨーロッパではシェンゲン協定を結んでいる国ではパスポートなしで自由に行き来できます。ピレネー山脈はフランスとスペインの国境にありますが、「ローランの裂け目」と呼ばれる場所が標高2800mにあり、フランスとスペインそれぞれの国への入り口となっています。

ペルデュ山にはうねった地層が見えますが、元々石灰質の大地が隆起して生まれたのです。そこには水力発電を作るためのアルトゥストル湖があり、そこからガロンヌ川が流れ始めています。

また、このあたりの山の中腹には羊飼いが昔ながらのやり方で羊を放牧させながら飼っています。その一人ジャビィエさんは牧羊犬モロとウルを飼っています。2匹ともとても賢いイヌでしたね。また、彼はピレネー犬イルも飼っています。こちらは羊と見間違うほど、白い毛のイヌでした。

羊飼いは他の人から羊を預かって育てているので、怪我をした羊を見つければ、消毒したり、時には注射もします。リポーターの方に注射させてましたが、獣医の資格とかはいらないんでしょうか?

ここで、第1問が出題されました。1896年の第1回オリンピックから競技が行われている種目で羊飼いの仕事から発想されたものは何でしょうか?

答えは棒高跳び!羊飼いが川や柵を超える際に杖を使ったのが始まりだとされています。槍のような杖を使用して昇り降りするサルト・デル・パストール(羊飼いのジャンプ)という伝統競技が元になっているようです。怪我をした羊の足をその杖で引っ掛けて捕まえていましたね。確か、テレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」の中でペーターが持っていた杖ですね。

歴史と文化を生んだガロンヌ川

ガロンヌ川はピレネー山中のアラン谷に端を発し、フランス南西部を流れる長さ647kmの川です。トゥールーズを流れ、ボルドーでドルドーニュ川に合流しジロンド川となります。ガロンヌ川流域には世界遺産がたくさんあるそうです。

トゥールーズ

歴史的建造物が残されたトゥールーズには赤レンガの美しい街並みが続いています。サン・セルナン大聖堂やミディ運河などの見所もたくさん。ミディ運河は世界遺産となっていてルイ14世の時代に作られた240kmの運河です。川の両側にはプラタナス並木が続いていて美しい景色を作り出しています。さすがフランス。何をするんでも「美しさ」が大切なんですね。この運河にはロックと呼ばれる水門が100箇所以上あるんですが、この運河ができたことで、海をぐるっと回らなくても良くなり、地中海に出るのに短時間で行ける様になったそうです。すごい大がかりな事業ですね。

ボルドー

ボルドーはフランスワインの2大生産地の1つで、毎年9月に行われる仮装マラソン「メドックマラソン」でも有名です。このマラソン大会では、給水所にワインが置いてあるんです。給水所を順番に回るとオードブルから始まってメインの肉料理までフルコースが楽しめるようになっています。優勝者は自分の体重と同じだけのワインがもらえるそうですよ。ワイン好きにはたまりません!あなたもフルマラソンにチャレンジしてみますか?

マラソン参加者はみんな楽しそうでしたね。「生牡蠣にはアミノ酸がたっぷりだから、元気になる」なんて言っている人もいました。本当でしょうか⁈

ボルドーは赤ワインが有名ですが、白ワインも造っていますよ。主にソーヴィニヨン・ブランという品種です。まだブドウが冷たいうちに収穫するそうです。リポーターが体験していましたが、気温10度。手が冷たくなって来ると言っていました。でも、朝早く摘むと豊潤な香りが生まれるそうです。この摘むタイミングが大事なんだそうです。こうやってワインが造られていると思うと1本1本が愛おしく感じられます。

ブドウの実を味見してみたら、すごく甘かったようですね。収穫もタイミングは、ブドウの実の甘さだけでなく、種の色が緑から茶色に変わったら、そして種を噛んでみて苦くなかったら、OKというようにいくつかのポイントがあるんですね。なるほどね。

紀元前のローマ時代からワインが造られていますが、ボルドーワイン委員会が出しているワイン・バーではリーズナブルな値段の美味しいワインが飲めます。

ボルドー・クレレというワインは、ロゼより赤く透明なルビー色で複雑な味わいです。その理由はその造り方にあります。タネと果皮を1日つけるマセラシオンを行うので、色も濃く、複雑な味わいになるのだそうです。

ボルドーの左岸では、主にカベルネ・ソーヴィニヨンからワインが造られ、味わいも濃厚になります。右岸では主にメルローで造られ、甘めの飲みやすいワインになります。

ここで二番目の質問が出されました。
それは、未熟なブドウは何の香りがするのでしょうか?

正解はピーマンでした。ピーマンにはメトキシピラジンという香り成分があるようです。ワインの香りについてのコメントでも「青ピーマン」という表現が使われますね。

最近の新しい試みとしてワイン関係で初めて世界遺産になりましたサンテ・ミリオン地区では、環境などを考えてワイン造りを始めています。

例えば、シャトー・クテでは、馬や羊を放し飼いし、ぶどうの木の根本には雑草が生えています。サスティナブルワインを造っているのです。

「神の雫」にも取り上げられたシャトー・サントバンのドリアンさんによるとグレブオオコウモリがブドウの葉を食べる蛾を食べてくれるそうです。美味しいワインが造れるこの環境に感謝したいと言っていました。

そして、最後の質問。輸出中にワインが倒れ染みてしまった食料品は何でしょう?
答えは、ワイン博物館にありました。正解はワイン塩です。ワイン塩は赤みのステーキに良く合うそうですよ。

ボルドーワインとワイン塩が一位の春菜さんにプレゼントされました!羨ましいです。