シャトー・メルシャンの3つのワイナリー 〜勝沼・桔梗ヶ原・椀子ワイナリー 

世界に認められる日本のワインを目指したシャトー・メルシャンの140年

1877年(明治10年)メルシャンの源流と言える大日本山梨葡萄酒会社が創立。そして、栽培と醸造を学ぶために高野正蔵土屋龍憲の二人の青年がフランスに派遣されました。2年後に二人が帰国すると、醸造担当者としてワインを作り始めました。しかし、会社は解散してしまいます。

宮崎光太郎は、土屋龍憲と一緒に甲斐産葡萄酒醸造場を設立し、本格的なワイン造りを続けますが、日本人に売るのは難しい時代でした。最終的に二人は袂を分かち、土屋はマルキ葡萄酒(現在のまるき葡萄酒)を設立。宮崎は甲斐産葡萄酒の暖簾を引き継ぎ自家製の生ぶどう酒にこだわり、1904年(明治37年)には宮崎第2醸造場(現在は県指定文化財ののシャートーメルシャンワイン資料館)を新設。

その後も本格的ワイン造りを目指し、1949年(昭和24年)には、メルシャンブランドが誕生しました。メルシャンとはフランス語のMerci(メルシー仏語で感謝の意)とan(人)を合わせた造語で、自然に感謝する人という意味だそうです。

1970年には、高級ワインのシャトー・メルシャンシリーズが誕生しました。現代日本ワインの父と呼ばれる元メルシャン勝沼ワイナリーの工場長故麻井昭吾(麻井宇介)の主導でメルローの栽培を開始。

1998年にはボルドーの1級シャトーのシャトー・マルゴーの最高醸造責任者の故ポール・ポンタリエ氏が醸造アドバイザーに就任。また、甲州種の香りを研究していく中で、ボルドー第2大学で研究していた故富永敬俊氏との共同研究の成果として、シャトー・メルシャン甲州きいろ香を発売。

現在でも、フィネス&エレガンス(調和のとれた上品な味わい)を目指し、進化を続けている。



シャトー・メルシャンのワインリスト

アイコンシリーズ・・・世界トップクラスのワイン
「城の平オルトゥス」、「椀子オムニス」、「北信左岸シャルドネ リヴァリス」他




テロワールシリーズ・・・産地の個性を表現したワイン
「穂坂マスカット・ベリーA」、「岩出甲州きいろ香 キュヴェ・ウエノ」、「笛吹甲州グリ・ド・グリ」




クオリティシリーズ・・・日常的に楽しめるワイン
「藍茜」、「ももいろ」、「萌黄」、「日本のあわ」




シャトー・メルシャンのワインは大手ワイナリーだけあって安定した品質なので、どれも美味しいのですが、私のおすすめは、甲州の香りを引き出した「甲州きいろ香」と甲州を醸して造った「甲州グリ・ド・グリ」です。グリ・ド・グリは今流行の日本のオレンジワイン の魁です。最初の頃はグレーがかった濁ったピンク色だったのですが、い最近のものは透明なオレンジ色ですね。



シャトー・メルシャン勝沼ワイナリー

ワイナリーツアー

事前申し込みが必要なワイナリーツアーだけでなく、当日見学できるところや、テイスティングカウンター、カフェ、ショップのほか、ワイン資料館などもあり、1日中楽しめます。

①勝沼スタンダードツアー(テイスティング3種)

開催時間
10:30~11:30(定休日・休館日を除く毎日)
13:00~14:00(土日祝)
所要時間
約60分
定員
10名(※要予約)
参加費
1,000円(税込)

②勝沼プレミアムツアー(テイスティング6種)

開催時間13:00~14:30(休館日・火曜日を除く平日)
※上記以外の時間のツアーは実施1カ月前より公開いたします。
詳細についてはカレンダーを確認してください。
14:00~15:30(土日祝)所要時間約90分
定員8名(※要予約)
参加費3,000円(税込)

『シャトー・メルシャン』ビジターセンター

定休日

火曜日及び年末年始ほか

開館時間
  • ビジターセンター9:30〜16:30
  • ワイン資料館9:30〜16:30
  • ワインギャラリー
  • テイスティングカフェ10:00〜16:30(ラストオーダー フード15:30、ワイン16:15)
  • ワインショップ10:00〜16:30



周辺の観光情報

宮光園は、宮崎光太郎が創業した葡萄酒醸造場を、ワイン醸造のルーツを知ることのできる資料館として整備したものです。ここで発見された貴重な映像資料や写真、当時のワインラベルなどが展示されています。

シャトー・メルシャンワイン資料館は、宮崎第二醸造場を、明治期のワイン造りを知ることができるワイン資料館として整備したものです。ここは現存する日本最古の木造ワイン醸造場で日本ワインの歴史を学ぶことができます。



シャトー・メルシャン勝沼ワイナリーへのアクセスマップ

〒409-1313
山梨県甲州市勝沼町下岩崎1425-1
0553-44-1011



シャトー・メルシャン桔梗ヶ原ワイナリー

桔梗ヶ原ワイナリーは、日本を代表するメルローの産地である長野県塩尻市にある小さなワイナリー です。そのため見学は年間数回だけになります。今年は11月2・3日がラストでした。

桔梗ヶ原ワイナリーへのアクセス

〒399-6461
長野県塩尻市大字宗賀1298-80
080-1128-5548
※お問い合わせは一般公開日の10:30~16:00のみとなります。
公開日:  詳細については営業日カレンダーを確認してくださいね。
公開時間: 12:30〜16:00



シャトー・メルシャン椀子(まりこ)ワイナリー

シャトー・メルシャンは、高品質なブドウを栽培するために、新たな畑を探していました。そこで出会ったのが、上田市丸子です。ここには東京ドーム6個分のブドウ畑があり、メルロー、シャルドネ、シラー、ソービニヨン・ブランなど8種類のブドウを栽培しています。2Fのテラスからは360度ブドウ畑が広がっているのが見えます。

椀子ワイナリーへのアクセス

〒386-0407
長野県上田市長瀬146-2
   0268-75-8790
   営業日:詳細については営業日カレンダーを確認してくださいね。
   開館時間:10:00〜16:30(テイスティングカウンター L.O.16:00)