初心者向けワインのテイスティング〜ワインの色、香り、味の表現

「テイスティング」というとソムリエ の人たちがワインの外観や香りなどから、どこの国の何というワインかを当てる「ブラインドテイスティング」のことかと思われて、難しく感じるのかもしれませんが、それだけではありません。「テイスティング」は、そのワインがどんなワインかを他の人に伝えるものなので、誰でもできます。「テイスティング」することによって、より深くワインについて知ることができ、自分の好みのワインを他の人に伝える(ことができるようになります。そうすると、ワインショップやレストランなどで、自分の好みのワインを伝えることができて、よりワインを楽しむことができるようになります。

テイスティングはどのように行うのか

ワインの「テイスティング」

1. グラスに注がれたワインを見る
2. ワインの香りを嗅ぐ
3. ワインを口に含んで味わう

という順番で行います。よくドラマなどで見る通りです。

その準備として、ワイングラス(ISOグラス)とテーブルには白い布か紙を用意しておきましょう。


テイスティングでは、何を見るのか

1.グラスに注がれたワインを見る

これは、ワインの色(色調や濃淡)ワインの涙(粘性)を見ます。

白ワインの場合

色は緑がかった黄色なのか、レモン色なのか、オレンジ色に近い黄色なのかを見て判断します。また濃淡では、透明に近い薄い黄色なのか、濃くはっきりとした色なのかを見るのです。

これによってワインの生産地の気温やブドウの成熟度合いがわかります。例えば、緑色がかっているというのは、そのブドウが冷涼な地域で栽培され、ブドウの熟度は高くないことがわかります。反対に金色のような黄色のワインは、温暖な地域で栽培され、ブドウの熟度は高いということがわかります。そうすると、糖分も高いので、ワインに変わった時にアルコールも高いのではないかと想像できます。

赤ワインの場合

赤ワインの色素は濃くなると光を通しにくくなるので、黒く見える傾向があります。そのため、暗めな赤色は温暖な地域のブドウで造られたと思われます。反対に明るい色の赤色のワインは、冷涼な地域のブドウで造られたということがわかります。また、長い間熟成させると茶色がかってくるので、そのような色のワインは値段が高いワインではないかと想像できます。

2.ワインの香りを嗅ぐ

ワインの香りは

第一アロマ(ブドウ由来の香り)
第二アロマ(発酵による香り)
第三アロマ(熟成による香り)

に大別されます。

第一アロマ(ブドウ由来の香り)

ワインから感じられるブドウ果実の香りのことです。他にも花などの植物の香りやミネラルなどがあります。ミネラル香はわかりにくいですよね、初心者には。でも、ブドウの香りや花の香りなど、特徴的なものをとにかく言葉にしておくということが大事だと思います。

第二アロマ(発酵による香り)

発酵によって生じる香りで、例えばボジョレーヌーボーのように収穫後すぐにリリースするようなワインによく感じられる香りで、キャンデイやバナナ、りんごや花などの香りがあります。第二アロマは1年ほどでほとんど感じられなくなります。ボジョレーなどの早飲みタイプ以外はあまり気にしなくてもいいかもしれません。

第三アロマ(熟成による香り)

第三アロマは熟成によって生まれる香りで、樽熟成かステンレスタンクでの熟成なのかによって変わります。樽にはオーク材を使うのですが、内側を軽く焦がすので、その中でワインを熟成させている時にバニラの香りが加わります。他にもロースト香やスパイスの香りなどがあります。それが樽香と呼ばれる香りです。誰にでも比較的分かりやすいと思います。

参考までに「アロマホィール」や「アロマパレット」という香りを表現するものがあります。そこには、よく使われる香りの表現、例えばバラの香りとか、マンゴーの香りとか、カシスの香りとか、ワインを表現する時に使われる共通言語が書かれたものがあります。それを参考にするのも良いと思います。もう少し詳しく知りたい方のために、『アロマパレットで遊ぶ』という本をお勧めします。この本はソーヴィニョン・ブランの香りを研究していた富永敬俊さんが書かれた本です。


3. ワインを口に含んで味わう

人間の舌では、舌の先端で塩味・舌の両脇で酸味・下の中央で甘味・下の奥で苦味がわかります。ワインを口に含むと、ワインが舌の中央から側面に広がり、奥に行って飲み込むことになります。

そこで、甘味・果実味→酸味→苦味→渋味の順に表現します。そして、その中でどれが強く感じられるのか?などを考えてみます。白ワインでは酸味が、赤ワインでは渋味が大事なポイントです。

余韻は残り香の長さ

飲み込んだ後にどれだけ長く香りが残るのかも大切なポイントです。高級なワインほど余韻が長くなる傾向にあります。普段のみのワインだとそこまで余韻が長くないかもしれませんが、、、、。ちょっと意識しておくことが良いのではないかと思います。



テイスティングのまとめ

「テイスティング」のポイントは3つ。色と香りと味です。一つ一つ見ていけば、決して難しいものではないはずです。でも、初心者には1種類のワインを飲んで、コメントするのは難しいかもしれません。

私は、2〜3種類のワインを飲み比べてみることをお勧めします。そうすることで、ワインの違いがはっきりわかるからです。同じ品種、例えば白ワインならシャルドネやソーヴィニョン・ブラン、甲州100%で造られたワインで飲み比べてみます。そうすると国・産地やワインメーカーによる違いが分かりやすいです。

ぜひ、「テイスティング」にトライしてみてください。丁寧にワインに向き合うことで、より深くワインについてわかるようになります。また、アプリなどを使って記録しておくこともおすすめします。あなたのワインの世界がもっと広がりますよ!