日本ワイナリーアワードで日本ワインが格付けされる?!

日本ワインとは、国産のブドウ100%で作られたワインのことです。そんな日本ワインがブームと言われています。海外のワインコンクール で賞を取る日本ワインも増えてきました。このブームを一過性に終わらせることのないようにするためにはどうしたら良いのか、を考えて新しく「日本ワイナリー アワード」が創設されました。

日本ワイナリーアワードとは、、、?

日本初、品質の高いワインを造るワイナリー を表彰します

このコンセプトの下、多くの銘柄、ヴィンテージにおいて傑出した品質のワインを生み出すワイナリーに★★★★★「5つ星」全般的に良質で安定感があり、銘柄やヴィンテージによっては傑出したワインを生み出すワイナリーを★★★★「4つ星」安定感がありほとんどのワインが良質で安心して購入できるワインを生み出すワイナリーに★★★「3つ星」評価に値する個性あるワインを生み出すワイナリーを「コニサーズワイナリー」として表彰することにしたのです。

対象とするワイナリーは設立から5年以上のところとなっています。なぜならワイン用の良質なブドウを収穫できるのは、ブドウを植えてから最低でも3年経ってからと言われていること、また、醸造したワインを熟成する期間をも考えあわせて5年以上となっているようです。

最近では、様々なワインコンペティションの受賞ワインは人気で、日本ワインは量も少なく普通にはなかなか買えません。しかし、日本ワインの質は向上しているし、他にも良いワインはたくさんあります。それを消費者に知ってもらいたいという思いと、海外のワインと比較したら値段が高いので、せっかくのブームが一過性に終わってしまうかもしれないということを危惧して創設されました。

また、近年憧れからワイナリーをやりたいという人が多く、質の面でも、経営の面でも危うさが感じられ、そんな状況をなんとかしたいと、ワイナリー を経営していくとはどういうことかを伝えたいとの思いもあったそうです。



第1回日本ワイナリーアワード

2018年4月13日に日本ワイナリーアワード審議会は、東京都内で「第1回日本ワイナリーアワード2018」を発表しました。 最高評価の「5つ星」(多くの銘柄・ヴィンテージにおいて傑出した品質のワインを生み出すワイナリー)にドメーヌ・タカヒコ(北海道)、酒井ワイナリー(山形県)、タケダワイナリー(山形県)、サントリー登美の丘ワイナリー(山梨県)、シャトー・メルシャン(山梨県)、ダイヤモンド酒造(山梨県)、中央葡萄酒(山梨県)、丸藤葡萄酒工業(山梨県)、小布施ワイナリー(長野県)、kidoワイナリー(長野県)の10ワイナリーが選ばれました。

しかし、この時は審査員と評価方法は非公開でした。なぜか?ということについて審査委員長を務める遠藤さんは消費者に受け入れられるワインを選びたいとの思いから、審査員に醸造家を入れなかったと言います。審査員をお願いしたのは、ワインジャーナリスト、ワインショップ、ソムリエ の方々で、海外のワインも知っていて日本ワインも客観視できる方、そして日本ワインが売れない時代からずっと10年以上日本ワインを扱ってきた方にお願いしたそうです。しかし、取引に差し障りがあるかもしれないので、匿名でよければ協力するという人もいて、全員の名前を公開しなかったそうです。

商売をしている方だと、審査委員として名前を出すのが、なかなか難しいのでしょうね。でも、選ばれたワイナリーを見ると、どのワインを飲んでも安定した美味しさのワイナリー ばかりですね。



第2回日本ワイナリー アワード

2019年6月21日に「第2回日本ワイナリー アワード」が発表されました。「5つ星」には、ドメーヌ・タカヒコ(北海道)、山崎ワイナリー(山形県)、酒井ワイナリー(山形県)、高畠ワイナリー(山形県)、タケダワイナリー(山形県)、勝沼醸造(山梨県)、機山洋酒工業(山梨県)、サントリー登美の丘ワイナリー(山梨県)、ダイヤモンド酒造(山梨県)、中央葡萄酒(山梨県)、丸藤葡萄酒工業(山梨県)、シャトー・メルシャン(山梨県)、小布施ワイナリー(長野県)、Kidoワイナリー(長野県)、安心院葡萄酒工房(大分県)の15ワイナリー が選ばれました。

日本ワイナリーアワードの審査委員と審査基準

今回は前回の反省から、審査委員や審査基準を発表しています。

審査委員の条件については、

原則として10年以上にわたり、下記の条件いずれかに該当する者とする。
【1】日本ワインを広く取り扱う酒販店の代表または仕入れ担当者
【2】日本ワインを広く取り扱う飲食店の代表または仕入れ担当者
【3】日本ワインに関する著作・記事のある者
※消費者の目線に立った評価をするためにワイナリー関係者は含めない。
※審査員は2年ごとに見直す。
※各地区4名以上、主要地区は6名以上で審査。

となっています。

日本ワイナリーアワード審議会
審 査 委 員 長 遠藤 利三郎(東京都:遠藤利三郎商店)
審 査 委 員 小山良太(千葉県:いまでや)
菅沼正樹(東京都:エムズダイニング)
西田芳郎(東京都:ツナグワイン)
藤森 真(東京都:ヴィノシティ、シャルパンテ)
矢澤德久(東京都:酒のトーク)
丹羽規子(北海道:酒舗七蔵)
藤井敏彦(北海道:ワインショップフジヰ)
横山広信(山形県:小島洋酒店)
五味丈美(山梨県:ビストロ・ミル・プランタン)
新田正明(山梨県:新田商店)
長谷部賢(山梨県:長谷部酒店)
北村秀雄(長野県:セラーキタムラ)
花岡純也(長野県:ワイン酒場かもしや顧問)
安部雄一郎(福岡県:奈良漬さろん安部)
名 誉 審 議 会 委 員 アンソニー・ローズ
Japan Wine Challenge、Decanter World Wine Awardの審査員を務め、日本ワインコンクールの審査員経験もあり、日本ワインの今を知る数少ない海外ジャーナリストのアンソニー・ローズ氏をはじめ、審査委員長には東京・押上でワインバーとワインショップを手掛ける「遠藤利三郎商店」の遠藤利三郎氏、その他の審査員もワインショップやワインバーの経営者の方々など消費者である私たちの身近にいる人たちです。

また、審査基準についても

品質のよい銘柄を多く持ち、収穫年に左右されずに、消費者が買える良質なワインを造っていること。ワインに複雑性や凝縮感があり、一貫した哲学が感じられること。そして、その地方ならではの風土を映したワインを造っていること

として、審査項目をそれぞれ10点満点で評価し、審査員の平均点が8点を超えるものが「5つ星」となるそうです。

今回審査委員と審査基準が公表されて、信頼度がアップしたのは間違い無いですね。どの方も長年ワインに関わる仕事をしていて、ワインエキスパートやソムリエ資格なども持っている方も多いようです。また、ワインに関する本を出版していたり、雑誌や新聞などに記事を書いていらっしゃる方もいます。そう考えると、信頼度は益々高くなりますね。特に私たち消費者に近いところにいる方々の推薦なので、安心して星を獲得したワイナリーのワインを購入することができますね。

2020年の日本ワイナリーアワードの発表も楽しみです!